20170909 中ア・宝剣沢山行

9月9日、10日と木曽駒ヶ岳西面にある宝剣沢にKB田くんと二人で沢登りに行ってきました。

これまで何度も中アの沢登り山行を計画してきましたが、雨天や増水で中止、敗退(滑落事故も…)を繰り返してきたので、今回やっと遂行できてとても嬉しいです。

朝5時半に柳川瀬公園を出発。中津川ICから上松町へ。

前にここに来た時は、敬神の滝小屋前まで車が入れたはずが、今回は500mほど手前で鎖が張られており、車はそこに駐車。車は他に5台ほど停めてあり、3人が沢装備で準備をしていた。どこへ行くのか聞くと五ノ沢へ、下山に使えるかどうか下見に行くそうで。

0810、駐車場を出発。小屋で計画書をポストに入れ、そのまま草の生えた林道を行き止まりまで行って入渓(0910)。ここから宝剣沢出会までは滑川の本流歩きなので傾斜も緩く、困難な滝もないので景色と透明な水を楽しみながら歩く。2017-09-09 12.17.01

 

途中、三ノ沢、五ノ沢など、他のルートも見えるが、奥三ノ沢と五ノ沢は出会からいきなり数十mの滝が見えてビビる。あれを登るなんて信じられない…。

1400宝剣沢の出会に到着。ここまでくると崩壊が激しく、川幅もこれまでよりかなり狭い。荷物を置いてしばらく休憩し、すぐ奥に見える宝剣沢F1に空荷で行く。2017-09-09 14.09.03

登山大系には20m、左のクラック状を登る、としか書いてない。実際は10m二段で、一つ目は階段状のルートがあって簡単に上れる。が、二つ目は出出しが立っており支点になるものが見あたらない。外傾かつ濡れており、ポロポロ取れる石に不安増大。怖くてしょうがないので2m上がってハーケンを打ち、覚悟を決めてもう少し登ると残置ハーケンと残置ナッツが。助かったーと上に抜けるも周りに終了点を作れそうな石も木もない。今回はここにザイルをフィックスするつもりなので、しかたなくもう一枚ハーケンを打つ。これで薄いハーケンを使いきってしまい、この一枚のハーケンで懸垂開始。ビクビクしながら途中の支点まで降り、古いハーケンの方にもザイルを固定してから下まで下降。ほっと胸をなでおろす。この工作に2時間近くもかかってしまった。

出会に戻り、テントを張れそうな所を探すが、広くて平らな場所がろくになく、一段下った水際にテントを設営。流木を集めて焚き木を開始。時間がかかったが、なんとか炎が安定したので食事の準備。Kさんは大量のつまみを歩荷しており、カレーと合わせて腹一杯になるまで食べた。8時前には就寝した。

翌日、朝4時起床を予定していたが、暗いのと眠いたいのとて結局5時に。小雨が降っていたのでテント内で炊事。前日のカレーが半分残っていたのでそれを食べる。

0645TSを出発。ザイルにタイブロックをセットして前日工作済みのF1を登る。昨日の恐怖を思い、ハーケン2枚は残置することにした。そのすぐ上も二段のナメ滝になっており、上段の滝は直登が無理そうなので脇から巻くことに。高さ3ー4mほどだが、落ると流されそうなのでザイルを出す。最初に取り付いた場所の上に残置があったが、思ってた以上に悪く、一旦クライムダウンし、すぐ隣りのラインで登り返す。また冷や汗…。喉が乾いて沢の水を飲む。

F2は簡単に巻けたが、F3は左側をジグザグに岩場を登り、草付を登る(0900)。2017-09-10 09.01.00急ではないが不安定な石が多く、ゆっくり登る。

ここを抜けるとゴーロ帯が続く。天狗岩の岩場を見上げながらどんどん登っていく。2017-09-10 10.38.56下から見上げるとすごい迫力で、こんなすごい岩場のある山だとは知らなかった。元は小屋の屋根だったであろう大きなトタン板があった。

途中でぼろぼろになったザイルや合羽、まだ使えそうなワカン、スノースコップを見つける。せっかくなのでその二つは回収する。

石が減ってきて稜線が見え、宝剣岳がすぐ右手に見えた時、やっと人の姿が確認できた。1130に稜線に出るとそこは天狗荘の真上。急に人が大勢いてびっくりしたが、終ったんだと安堵。K田くんと成功を喜びあう。装備を片づけ、頂上山荘でコーラを飲んでから下山にかかる。せっかくなので駒ヶ岳の山頂に立ち寄る。しかし人が多い。これまでまったく人の気配がなかったので、落差が大きい。

駒ヶ岳から先は人がまったくいなくなった。そのまま上松Aルートで下山する。このルートは始めてだったが、中アにこんな苔生した所があるなんて知らなかった。1250に玉の窪小屋、1520に金懸小屋、1650敬神の滝小屋、1715にやっと駐車場に到着。山行を終えた。

20170909 中ア・宝剣沢山行” への1件のフィードバック

  1. 念願の登頂おめでとうございます。
    ナイス、アルパインです。
    ここの沢はいろいろと登りたいところが満載なので、
    また誘ってくださーい。

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