8月７、８日で計画されていた夏合宿ですが、私はY田さんと２人で５日から入山する事で計画を立てました。台風の影響で天気は二転三転しましたが、柔軟に対応してくれたY田さんのお陰で、初めての剱岳を初めてのアルパインクライミングで安全かつ最高の条件で登る事が出来ました。立山周回もしてテン場では今までに無くのんびりとした時間を過ごす事が出来、とても充実した３日間になりました。
まず当初の計画は、5日剱沢キャンプ場に行く。6日源次郎尾根で剱岳を目指す。7日八ツ峰で剱岳を目指す。8日予備日でしたが、入山時の天気予報は5日曇（雷注意有）・6日雨のち晴・7日曇のち雨でした。それを踏まえて・・・
5日
6時過ぎに立山駅に到着して券売所の列は空いていたが、チケットをネット購入の人が優先で２便目の7：50に出発となり室堂平に9：00に到着しました。
初めての室堂は観光地として賑わっており、連休前とはいえ夏休み、学校行事で子供達が沢山登っていて雄山までは混んでいました。稜線は意外とガレとザレが多く、荷物が重いせいもあり思っていた以上に歩きにくかったです。
真砂岳あたりから西に湧いていた雷雲が鳴り出したが、別山に着いた頃には雲が落ち着いたので空身で北峰までピストンしました。ここから見る剱岳は迫力ありました。
剱沢キャンプ場への急斜面は長く感じてとても疲れました。15：10に到着し19時前には就寝しました。
6日
2：00起床時には予報の小雨も無く満天の星空の下3：00出発です。剱沢雪渓出合でアイゼンを装着、雪の状態は良く歩きやすかったです。1時間ほどで目印の岩に到着し取り付きも容易く見つかりました。
そこからはとにかく急登で岩や木の根を這い上がります。早々に残置ハーケンにA０して乗越す岩があり、ザックを背負ってだと大変でした。その後垂直の岩にボルトがありロープを出しましたが、ボルト上部は容易かったのであまり意味が無かったかもしれません。１峰の中盤でガレがとてもひどい場所に行ってしまい、先行のY田さんにお助けスリングをもらいました。１峰終わりの懸垂下降３０mは５０mロープで下降したが、下部のテラスからは普通に歩いて降りられるので問題ありませんでした。ただそのテラスでロープをまとめているのに次のパーティが降り始めたので焦りました。アルパインってこんなに急かされるのでしょうか？
その後も浮石やガレが多く、手や足の置き場は慎重に歩行したがそれでも小さなラクはしてしまう程ひどいガレが続きました。この日かぶったパーティは４組で大きな渋滞も無く、ラクで迷惑をかける事もなくスムーズに進む事は出来たと思います。とにかく快晴で貸切の稜線は絶景でした。
取り付きから6時間の行程を経て、２人にとって初めての剱岳に登頂です。初級ではあるもののアルパインクライミングを自分達だけで完登出来て達成感と喜びはひとしおでした。
青空に映える山々を眺めながらホッと一息をつき別山尾根で下山です。沢山の人が入っているので手を置く岩がツルツルしていて信用性に欠ける、浮石は断然少ないがザレはやはりひどい。一般登山道とは言え難易度の高い山だと実感しました。日陰が無く暑くて途中からバテ気味でしたが14：00頃には剱沢キャンプ場に到着したので、テン場でのんび〜りと過ごす事が出来ました。
7日
昼には天気が崩れるが室堂までは3時間程度の行程なので、朝もゆっくりと起きてのんびり準備をしました。雷鳥坂もやはり歩き易くは無く、何も考えずに歩き易いと感じるのは室堂付近の観光地のみと言ってもいいのかもしません。天気は崩れるのに連休初日なので沢山の人が登ってきました。どうぞ皆さんが安全に下山出来ます様に…12時頃バスに乗ったら雨が降り出しました。
一人では成し遂げられない事を達成した時、いつも沢山の人への感謝の気持ちで一杯になります。入会した時はクライミング技術も皆無同様だった私にご指導くださった先輩方、練習に付き合ってくださった先輩方、何より一緒に登ってくれる仲間が居てこその登攀です。今まで積み重ねて来た色々にやっと少し結果が出てきた気がします。今後も自分の力量を正しく把握して無理なく安全登山が出来る様に精進したいを思います。ありがとうございました。
5日：9:20室堂駅-11:30雄山-12:05大汝山-10:05真砂岳-14:00別山-15:10剱沢キャンプ場
6日：3:00剱沢キャンプ場-4:00平蔵谷出合-7:45源次郎尾根Ⅰ峰-8:30源次郎尾根Ⅱ峰-10:10剱岳-14:00剱沢キャンプ場
7日：7:55剱沢キャンプ場-9:00剱御前小舎-11:10室堂山荘-11:35室堂駅
CL：Y田・報告N田