メンバー:T村(元会員)、T代(元会員)、Y澤
年末山行にどこに行こうか?そんな話が出た時には本当に冬がやってくるのか心配だったが、今年の冬は例年並みの寒波に見舞われた。日本海側は大荒れの天気であったが、南アルプスは最高の天気となり、すばらしいアイスクライミングできそうで、期待が高まる。
道の駅「はくしゅう」でT代さんと合流。林道終点には車が全くなく、我々だけの貸し切り状態。お昼前から歩き出す。取り付きにはテープが貼ってあり、山レコで確認しながら入山。雪は全くなく、落ち葉ラッセル。かなりの急登である。久々の重荷に、トレーニング不足を実感。2人のスピードに追いつけず…。1323m地点からお目当ての一ノ沢が綺麗な姿を見せる。氷結具合に、期待がさらに高まる。ここからアイゼン(2人はチェンスパ)をつけて沢へ入渓する。
落ち葉の下は、岩だったり凍土だったりして不安定。夏の沢登りの高巻きの様相。慎重に現場へ近づく。氷結していない下の滝を高巻き、その上辺りをBCにする。お目当ての一ノ沢はここからは見えないので偵察に向かう。小一時間ほど進むとドでかい氷瀑が現れた。上の方は完全に凍りついていたが、下がつながっているかどうか確認に近づく。取り付きまでたどり着いた。どうやら登れそう。胸が高まる。
その帰路…。
突然、右足のアイゼンが外れる。こんなの初めてだった。よくよく確認すると、靴のつま先のゴムが欠けて靴底が捲れかけていた。付け直してもすぐに外れてしまい、どうにもならず…。片足アイゼンなしでBCへどうにかたどり着いた。
テントの中で、確認すると剥がれ具合は、わずかである。しかし、紐じめならともかく、ワンタッチアイゼンでは金具がつま先に食い込んでしまい、取り付けは難しい。クライミングの途中で外れれば事故の可能性もある。ここまで無事で来られたことだけでもありがたいと気持ちを切り替え、明日はテントキーパーに徹することにする。
よく朝、天気もよくクライミング日和。補修した靴で途中まで2人を見送り、BCで焚き火をしながら過ごす。昼過ぎから風が強まり、熾が飛んで山火事になったらえらいことになると思って、水をかけてテントに入る。
15時半ぐらいに2人が戻り、満足気な様子から成功したことを理解した。T村さんは1P目でスリップして腰を打ったようだが大事なく登り切った。60mのロープで4P。終了点アンカーはスクリューで取りながら登ったようだ。下降は、アバラコフと思いきや、うまい具合に立木があったようで、3P懸垂。本当に羨ましい限り。
BCで積もる話をいろいろしながらもう一泊。翌日、帰路に着く。歩くほどに補修したところが剥がれてしまう。チェンスパを借りて、どうにか車までたどり着いた。
2022年夏から山に復活したが、今年になって本チャンで靴が故障したのは、2度目(壊れたのは3足目)。もう笑うしかない…。皆さんもしばらく使っていない山道具には、お気をつけください。また、強力な元会員の2人に支えられて、何事もなく帰って来られたことに感謝、感謝。また、3人でどこかに行きたい。そして、山は逃げない。またチャンスがあったらチャレンジしたい!靴って今、高価だよねー。
長文になってしまい、申し訳ありません。