日時 | 2025/3/9 |
山域 | 上高地 |
参加者 | K田(D)、K田(K)、N田、O田、H川(記録) |
日程
3/9 | 宿泊組テント場(9:00-9:20)ー西尾根取付(9:30)ー現場(11:10-11:30)ー休憩(11:50-12:10)ー西尾根取付13:40 |
日誌
K田(D)・N田・K田(K)のアテンド・フォローにてO田・H川計5名で、滑落現場まで雪訓としての山行。
当日は、K田(D)、N田、K田(K)の宿泊していたテント場に集合。集合に少し手間取ったものの、テント場に合流したO田とH川は懸垂下降の復習。ストックはデポしピッケルに持ち替えて出発。
O田含め4名は普通に登攀。私は登りでも不安になる箇所があり複数個所でロープを出してもらい登攀。アイゼンが効いている感覚が分からず、なかなか次の一歩が踏み出せず時間がかかった。上からはロープでの確保、下からは今の足は効いているよなどの声掛け、2点(足と足、足とピッケル)を安定させるなど沢山のアドバイスなどをもらいながら登攀。おかげで最初の状態に比べればだいぶ登り方が変わったように思う。かなり時間をかけ慎重に登り、滑ることなくノーテンで上がることができた。
取付から約100分で現場に到着。各自安全な場所にて当時の状況説明をしてもらった。以前から聞いてはいたが、現場は急ではあるものの私から見ても「すごく危険地帯」という感じではなかった。
11:30頃下山開始。自分は複数箇所で懸垂下降やフィックス張ってもらい下山。
一度だけ、置いた足が滑り尻もちを付く形になった。とっさに初期制動の体制が取れ、先月の雪訓の効果を感じるとともに、気を引き締めなおした。頑張れそうなところは何度かフィックスロープにバックアップのみで、自分で歩いて降りる経験もさせてもらった。降りる時の足の置き方、体重のかけ方重心の落とし方等、アドバイスもたくさんもらいながら下山。
かなり降りてきた時、やはり急な場所があり私のみ懸垂下降させてもらった。その後、他のグループに先に行っていただこうと、N田さんと少し足場のある場所で待機した。数名通り過ぎた後、そのグループの真ん中1名が転倒し(おそらくアイゼンを引っ掛けた)N田さんと私のところへ頭から落ちてきた。
私はとっさに横によけ、セルフをとっていたN田さんが逆さになった滑落者の足を手でつかんで止めた。滑落者は怪我なかったようで、結果として大事にはならなかったが、私達のすぐ下は木はあるものの結構な斜面になっていて、非常に肝が冷える出来事であった。
その後もフィックスをはってもらい安全に下山させてもらった。最後の取付へ降りる広いところで1度滑落停止訓練を実施しテント場へ戻った。
その後は、O田・H川は、デポした荷物を引き上げお参り組と合流して帰路へ。K田(D)・N田・K田(K)は、宿泊組と合流しテント撤収などをしして帰路へ。



感想
沢山のフォローをしていただき、行って帰ってくることができました。自分はロープに頼る箇所も先輩方は普通に歩いていて、これから練習を沢山積んでいかなければいけないと改めて感じました。今回の雪訓は、広く安全な場所でゆったり行う雪訓とは違い、ロープで確保してもらってはいるものの緊張感を持って臨んだ雪訓となりました。とはいえ安全な場所でゆっくり実施した雪訓で得た経験が役に立ち、今回の訓練につなげることができ、改めてどちらの訓練も大切なことが理解できました。また、経験ある方々でも何かの拍子に事故になることがあり、必ずしも稜線上や切り立った岩場だけで事故が起きるわけでもないことを実感し、改めて気を引き締めて山に臨みたいと思いました。
今回、先輩方には多くのフォローをいただき、また私のために山行時間が多くかかってしまい、心苦しい部分はありましたが、私としては現場に行ってお話を聞くことができ、あの場所で緊張感を持った雪訓を行ったことで、とても大きな意味を持った一日となりました。大切な仲間を失った現場に行くことは、多くの方に色々な思い気持ちを呼び起こすことがあるのだろうと思うと非常に複雑な気持ちにもなりますし、正直自身の気持ちもかなり揺れ動きました。それでも今回の訓練を行い、学び考える機会にしてくださった方々に心から感謝いたします。
皆様本当にありがとうございました。