| 日時 | 2025年9月14日 |
| 山域 | 富士山 |
| 参加者 | N田、M |
日程
| 9月14日 | 岡崎・小牧===ネオパーサ岡崎(1:00)===富士宮口5合目🅿︎(3:30,4:10)→ 六合目(4:30)→ 主杖流し(6:20) → 大沢崩れ右岸・大沢休泊所(9:15) →前沢(9:30)→ 一番沢(9:45)→仏石流し(9:50)→ 滑沢(10:00) → 御庭山荘(10:40) →寄生火山(11:00) 富士スバルライン五合目(11:30) → 泉ヶ滝(12:00)→ 吉田口六合目・富士山安全指導センター(12:15)→瀬戸館(13:30)→ 宝永山馬ノ背(15:00)→14:11 宝永山(15:15)→宝永第一火口(15:45)→宝永山荘(16:10)→ 富士宮口5合目🅿︎(16:30)===天母の湯(17:15,18:15) ===新富士SA(19:00,20:00) ===ネオパーサ岡崎(21:30) ===岡崎・小牧 |
日誌

静岡側、山梨側の富士山メジャー4ルート9月10日の閉山したにも関わらず富士宮口五合目🅿︎は警備員を配置して交通整理するほど結構な車の数。気温は16°と心地の良い気温だった。ガスは多めではあるものの静岡の街明かりが綺麗に見えて良いスタート。




スタートして早々、すごい風。予想では中腹で強くとも風速15m前後だと思っていたが明らかにその程度の風でない。キャップとヘッデンがそのまま風に取られてぶっ飛んでいって、強い西風を受けながら耐風姿勢が必要で薄明かりの中慎重に進んだ。寒がりのN田さんはこの爆風にさらされ寒かったと思う。

富士山特有のザレザレガレガレ+爆風で主杖流し取り付けまでもかなり時間を要した。地図を見ても行程の5分の1も進んでいない。私の計画の甘さで、押しに押していきそうなのが分かった。




トラバース歩きは難しい。気付くと結構上に行ってしまい、標高を保ちながら上がりすぎず下がりすぎず一定で歩く事ができない。地図を確認したりN田さんのアドバイスを受けながら歩いた。なるべく先の目標物を定めてそこに目掛けて歩くよう心がけた。時間がかかりすぎているため途中離脱、引き返す等も考えるも、場所が場所なだけあってどうにも悩ましい。とにかく大沢崩れまでは進むことを決める。



今回の1番の難所の大沢崩れ。一乗越〜二乗越〜三乗越、と上部の崩壊は年々酷くなっているそうで基本的に標高を300mほど落として通過する必要がある。現在は調査工事が行われており、工事の横を通過させていただいた。昔の修験者は一体どうやってココを越えたのか…先人達はすごいなと思った。




時間を計算し、御庭に10:45を目標に進む。大沢崩れを越えると沢を何個か跨ぐが雰囲気が一気に変わり苔苔とした登山道が現れる。この区間できのこ狩りの人たちとスライドした。美味しそうなきのこをカゴいっぱいにもっていて美味しそうだった。いつかきのこ狩りしてお腹いっぱいきのこ食べたい。




なんとか10:40に御庭に到着。計画より1時間押しているが、遅くとも17:00には下山出来ると判断して進む事を決めた。御庭からスバルライン五合目まではしっかりルートがあるため気力温存ゾーンとして歩いた。スバルライン五合目に到着すると、すごい人。トレランの大会があった模様で強そうなランナー達がたくさんいた。「私たちには私たちの闘いがある!」と鼓舞して残りの半周に挑む。

眼下に富士五湖と外輪山を眺めてながらあそこからあそこが繋がってる、あそこ歩いたね、と話ながら富士山の中腹から周りを眺めて贅沢だなと思いながら歩いていた。N田さんは富士山のお鉢周り+今回の富士山御中道周回+外輪山の周回で富士山中心に三重丸の軌跡が描かれる予定。富士山山麓も歩いたら四重丸かぁ。



吉田口下山道の分岐からまた悪い区間に入っていく。そして山頂から下山してくる人がちょこちょこいた。山頂の風は強く景色も何もなかった、と。それからちょっとして気付いたら、今日ずっとガスで隠れていた富士の山頂が見え始めた。



須走口〜御殿場口〜宝永山の区間は個人的に悶絶だった。ずっと同じザレ、同じ色の地面、同じ草、同じ斜め角度…少し稜線に乗り上げるも目の前に同じ風景。振り返っても同じ風景。違う感じを感じたくて目標地点に着いては、がっかりして後ろを振り返りN田さんに「あーーーー、また同じだったー!」と絶叫していた。気が狂ってしまいそうな絶叫をなん度も繰り返して、チラッと宝永山が見えた時には感極まった。



宝永山に向かう頃にも風が強まり、飛ばされそうになりながら本日の唯一の山頂へ。振り返ると秋色の富士山。最後の最後のご褒美の景色を見る事ができた。ずっと斜めの世界を見てて、今までで1番でっかい富士山を目の前に見て幸せになる私は日本人だなぁと実感した。



ラストは安全にスタート地点に戻るのみで、通常ルートではあるものの、風と眠さと疲れがあるので気をつけて、振り返り話をしながらスタート地点へ。ゴールしたのは16:30。スタートして12時間以上かかってしまった。久々の行動時間を何とかぐるっと富士山中腹一周を歩き切る事ができた。
感想
富士山麓一周、ウルトラマウント富士、富士外輪山、いろんなスタイルで富士山をぐるっと回る人たちがいる中、少しまえから富士山の中腹を一周がどうしてもやってみたくなった。元々は富士山の剣ヶ峰に直登できる主杖流しを目指していた時に、そのまま取り付きからぐるっと回れるんじゃないか?と。富士山標高2400m〜2700m地点をぐるっと回る富士山1周を昔の富士山の修験道である「御中道」である事を知り、富士山に従事している人や色んなソースを使いリサーチして挑むことにした。そもそも、ちょっと変なバリエーション山行のため誰も同行人を見つけられないと思っていたのでN田さんが同行してくれる事となりそれだけでかなりやる気が出た。
反省点: ①コースタイム(バリエーションということも考慮はしていたものの楽観的なコースタイムで計画してしまった。案の定、序盤から想像よりかかる事になってしまった。コースタイムの見積もりを今後は見直していきたい。) ②トラバース歩き(上記でも記したが、想像以上にうまくいかなかった。「トラバース」という事を通常の山行でもやっていて特に問題と思った事がなかったが今回のルートの性質上、トラバース山行となっていたが、大変勉強になった。目標物を目指す事、コンパスを使ってもよかったと思った。) ③ストック(めんどくさがりのため使うのが面倒と思い車に置いてきたが、富士山のようにザレザレ、ガレガレの道にはストックが有効だと思った。) ④離脱判断(今回はN田さんのサポートもあり無事歩き切る事ができたが、もし途中下山となった場合のエスケープを細かく考えていなかったのは問題だった。富士山の中腹で進んでしまうと引き返すにも厳しいし、途中下山でスタート地点に戻るのも難しくなる。事前に交通機関を調べたり、万が一に備えてのエスケープを考えておく必要があった。同時に、いつ・どのタイミングで判断するのか?難しいが安全登山・無事下山出来るようにしないといけないと思った)
同行してサポートしてくれたN田さんには感謝しかない。そして、今回、新品のブーツを履いたので良い調査もできた。見事にソールは右足の外側、左足の内側が擦れて減っていた。そこは想像通りの時計回りトラバースだった。御中道【進むも試練、退くも試練】そんな山行をやり遂げ、下山後自分たちが歩いた軌跡、富士山の中腹にぐるっと一周された○が描かれていてとても嬉しくなった。
