せっかくの長い連休ができたので、これまでで最長のツーリングに挑戦した。
目指すは五島列島。フェリーで九州まで行ってしまえば楽なのだが、年末は既にフェリーは満席でチケットが取れない。往路はひたすら西に向って走り、帰りはフェリーで一気に大阪まで帰ることにした。
高速は寒いし、年末年始は割引が無いのであまり使いたいくない。路面凍結も怖いので海沿いのルートをなるべく選び、フェリーも多用する計画を立てた。何度も計画を見直し、時間を確認したが、それでも不安が残る中、出発した。
【 1日目 2023-12-30 】
自宅を出て岡崎ICから名阪国道経由で和歌山ICに向う。電熱装備のおかげで寒さはそれほどでもない。名港付近で少し渋滞したが、あとはスムースに和歌山まで行けた。和歌山港手前でスーパーに寄り、今晩の食材を買う。
7000円払ってフェリーに乗り、四国へ上陸。サーチャージですごく高くなっている。これなら淡路島経由で高速で行ってもよかったかな、と少し後悔。薄暗くなるなか川沿いの前川キャンプ場に到着。Pから近い場所にテントを張った。
【 2日目 2023-12-31 】
暗いなか起床し、まずは四国最東端へ。蒲生田岬の先端まで少し歩く。こちらもなかなかの最果て感。
引き返して海沿いを室戸岬方面へ向うが、室戸岬自体は今年も行ってるので、ショートカットする山越えのルートにした。こちらはほとんど車がおらず、狭い所もあるが快適に走れた。
高知市を抜けて宮ノ前公園キャンプ場に到着。だだっぴろい公園で、風も強くてテン場選びに悩む。夜は雨が降った。疲れもあって大晦日だったがすぐに眠った。
【 3日目 2024-1-1 】
まだ暗い中を出発。雲が多くて初日の出はよく分からなかった。佐田岬の手前の三崎港からフェリーに乗る。ずいぶん昔、四国ツーリングに初めてきた時に、これで九州まで行けるのか、とよく覚えていた港だった。
九州を西へ横断するのだが、地震被害のあった熊本城が見たくて、阿蘇山と九重の間を通るルートをとった。おかげで景色はよかった。阿蘇山の麓の風の里キャンプ場に泊まる。テントを張り終え、ラジオを付けたら能登の地震のニュースが。その晩はずっとラジオを聞いていた。
【 4日目 2024-1-2 】
テン場から熊本城はすぐで、駐車場にバイクを停めて見学に行く。が、時間が早すぎて城内に入れず。待ってもよかったのだが、翌日が雨予報で予定を少し進めようと思っていたので出発する。佐賀に向い、諫早湾を一直線に渡る道路に向うが、市街地ではとにかく流れが悪かった。
堤防道路の真ん中にPがあり、諫早湾を二分する巨大な堤防を見学する。右と左で水の色が違い、高さも違っていた。
その後、島原市で買い出しをして、雲仙普賢岳を周る道を走る。実はこの辺りのPで野宿する予定だったが、もう少し先に進み、白浜海水浴場にあるキャンプ地にテントを張った。
【 5日目 2024-1-2 】
雨を避けるため、4時前に起床して出発し長崎港へ向う。さすがにこの時間だとスムースに乗り場まで行けた。都会なのに港があるのが私には珍しい。他のフェリーを見学してから福江島行きのフェリーに乗船。到着まで時間がかかるので船内で横になって眠った。
上陸して近くの食堂でカキフライ定食を食べる。店を出ると雨だった。近くのスーパーで買い出しを済ませ合羽を着る。こんな状態では走りたくないのでキャンプ場に直行する。入ろうかと思った温泉も休みだったので、テントでごろごろする事にした。テン場に着いて、合羽と靴を屋根のある所に干して、テント内で読書と昼寝で過ごした。
【 6日目 2024-1-3 】
まずは絶景で有名な大瀬埼へ向かう。五島は教会で有名なので道中の教会を見学。ただし今は感染症対策とかで内部の見学ができないので、外から見るだけ。
大瀬埼のPに着き、ここから30分歩いて岬の先端へ向う。すれ違ったのは2組だけ。絶景を堪能してPへ戻る。
昨日、予定していた温泉に入れず、3日間風呂に入っていない。途中の荒川温泉は13時からなので、先にこれも絶景で有名な長崎鼻に向う。
狭い道を抜けると、いきなり広い草原に出る。小さい灯台とトイレはあるが、他に高いものは無く大海原が広がる景色に感動した。CM撮影とかでも使われる所らしい。
このまま半島を周って荒川温泉に戻る。300円で銭湯風のお風呂に浸かり、ヒゲを剃ってさっぱりした。
テン場予定地に向うが、まだ時間に余裕があったので、翌日に予定していた堂崎天主堂キリシタン資料館に行く。ここは資料館だけあって、お金を払って普通に見学。元会員A子にもらった「沈黙」を読んでおいてよかった。いろいろ勉強になった。
戻って魚津ヶ崎公園にテントを張る。ここは予約しておいたので、受付から、まだ来ないのかと電話が入ってきた。ちょうどすぐ近くのスーパーで買い出ししていたので出られたが、走っている時はまったく気付かなかった。
テン場はかなり広いのに、先客は1組だけで離れている。水道が近く、フリーのWi-Fiが使えるのは助かった。
【 7日目 2024-1-4 】
出発して、まずは鬼岳の登山口Pへ向う。草原の斜面を歩いて展望台へ。向こうに飛行場が見える。双眼鏡も置いてある。眼下に福江の街と海原が見えるのだが、低い雲に覆われていて、絶景なのだがいまいちぱっとしない。せっかくなので鬼岳の山頂まで歩き、写真を撮って下山。
フェリーの時間までまだ余裕があったので、東側の海岸に向うも何も見えず。鬼岳からはパッチワーク模様の畑が見えたのだが、実際にそこらを走ってみても何も見えなかった。
まだ時間があったので、山本二三博物館へ向う。ジブリ映画などの背景画を描いている人で、そんなものがあることを上陸後に知った。だが、展示物の入れ替えのため、5日まで休館とありガッカリ。ネットで調べた時は4日から営業とあったはずだが‥。
仕方ないので、五島樫の浦のアコウを見に行った。その後、福江港に戻り、フェリーに乗る。船は途中、奈留島に寄るが、時間があればこの島も走りたかった。中通島まで2時間弱あるので船内で昼寝した。
中通島へ上陸。お昼過ぎだったので近くのうどん屋へ。五島はうどんが名産なので、野菜天うどんといなりを食べた。
若松大橋を見学し、その先の龍観山展望所へ行く。計画時はここで野宿しようかと思っていた所。景色がよくてトイレもあったので悪くない。たぶん夕方以降なら滅多に人も来ないだろう。道を戻り島を北上し、途中の大きなスーパーで買い出し。テン泊最終日なので奮発して焼肉にする。あと、ガス缶が1つ空になったのでCB缶を1つ買う。
はまぐりキャンプ場へ着く。ここも広いキャンプ場でフリーWi-Fiもあった。テントが遠かったせいか入りが悪かった。
【 8日目 2024-1-5 】
今日は佐世保に渡るフェリーがあるので早起きした。島の北端である津和崎鼻へ向う。まだ暗かったので途中の教会は帰路で見ることにした。
細い山道を上るとPがあり、歩いて灯台へ。島の先端なのでここも絶景。目的地としてはここが最後なので感慨深い。あとは帰るのみだ。途中の教会に寄って写真を撮り、さあ行こうとしたら後ろのバッグの上に載せてあったテントのフライがない。濡れていたのでバッグに入れず上に積んでおいたのが無くなっている。先のPで、バイクに乗り込む時にでも蹴り落としたかも、と思い、まだ時間も余裕があるので来た道を引き返す。走り出して5分程度で、細い山道に入った直後に道の真ん中に見覚えのあるオレンジの物体が。やっぱり自分のフライだった。なんたる幸運。積み直して港へ向う。
港に着くもまだ2時間余裕がある。そこで頭ヶ島天主堂に向かう。予定外なので調べていなかったが、ここは世界遺産なので、見学にも時間制限があり、写真も不可。必ず担当者が付き添うようだ。石造りの小さいが重厚な教会だった。
港に戻り、コンビニで昼食とおやつを買った。チケットを買い、車より先にフェリーに乗り込む。デッキから五島に別れを告げ、あとは読書と昼寝。暖かい所で横になれる幸せを噛み締める。
佐世保港近くまで来たのでデッキに上がる。米軍か自衛隊の艦船、空母(揚陸艦?)も見えた。帰りのフェリーの時間が迫っているので、佐世保バーガーは諦めて高速をひた走る。思った以上に余裕はなく、出港1時間前にフェリー下に到着。誘導員と話しをしたら、すぐに乗り込んでよいと言われた。以前、乗り込むまで長い事待たされたので拍子抜けだった。
バイクを停め、着替えを出して受付へ。鍵をもらって自分の部屋へ移動。すぐに風呂へ。露天風呂もあって、港を見ながらゆったり。その後はビールを買い、デッキに上がり九州を見送った。一休みしてレストランに行くが長い行列。ビュッフェ形式だがどれも少し割高。時間に余裕があれば、事前に弁当などを買っておいたのだが…。後は部屋で読書している内に眠ってしまった。
【 9日目 2024-1-6 】
朝5時前に目が覚めた。6時に入港なので時間がある内に朝食をレストランで取り、朝風呂に行って温まる。バイク用の装備を身につけて車両デッキへ。
まだ暗い中を下船。まっすぐ帰るのももったいないので近くの住吉神社を目指すが駐輪場が分からない。駐車場はどれも有料。面倒になって行くのはやめた。下道で天理まで行き、そこから高速を使って岡崎へ。昼すぎに自宅に到着。ロングツーリングを完了した。